製造業の業務プロセスに対応するITシステム(ソフトウェアやアプリ)を知りたい方へ(IT初心者向け)
製造業の業務プロセスに対応するITシステム(ソフトウェアやアプリ)を知りたい方へ(IT初心者向け)
目次
業務プロセスとIT化の関連性
企業は様々な業務を行うことで、運営されています。ある目的のために行う一連の業務の流れや手順を業務プロセスと呼びますが、企業のIT化を行う際には、IT化の範囲を業務プロセス単位で区切って考えると進め易くなると思います。
企業のIT化に必要なソフトウェアやアプリは、基本的に業務プロセス単位に合わせて機能が作られているので、業務プロセス単位でソフトウェアやアプリを導入すると効率よくIT化を進めることができるためです。
製造業の業務プロセス
業種ごとで行っている業務プロセスは大まかに定まっており、製造業では下記の業務プロセスが基本的な業務プロセスに該当します。

①見積プロセスで行っていること
製造業の見積では、次の作業が主に行われています。
- 製品に対する要求内容(仕様・希望価格・納期等)を明確化する
- 必要な原材料、人員工数を洗い出す
- コストと利益率より、販売価格を決定する
- 見積を作成する
※これらの他にも、見積で行っている作業はあります。
②受注プロセスで行っていること
製造業の受注では、次の作業が主に行われています。
- 顧客から注文を受け付け、注文内容(製品の種類、数量、納期など)を確認する
- 発注書を管理(保管)する
※これらの他にも、受注で行っている作業はあります。
③試作プロセスで行っていること
製造業の試作では、次の作業が主に行われています。
- 取引先の仕様を元に製品(部品)の設計をする
- 試作品(プロトタイプ)を製造し、その性能や外観を確認する
- 試作品の動作確認や耐久性テスト、品質検査を実施して、設計通りに機能するかを評価する
- 量産に向けて、製造工程を設計する
※これらの他にも、試作で行っている作業はあります。
④仕入プロセスで行っていること
製造業の仕入では、次の作業が主に行われています。
- 製品の製造計画に基づいて必要な原材料を予測する
- 必要な数量を供給業者に発注する
- 過剰な在庫や不足が発生しないように在庫を適切に管理する
※これらの他にも、仕入で行っている作業はあります。
⑤製造プロセスで行っていること
製造プロセスでは、原材料の加工や部品の組み立てを行いますが、加工や組み立て以外にも様々な管理業務を行っていると思います。製造業の製造での管理業務では、次の作業が主に行われています。
- 生産量や納期を調整し、生産スケジュールを作成する
- 原価計算や予算を管理する
- 製品が仕様に合致しているかの検査や耐久性をテストする
※これらの他にも、製造で行っている作業はあります。
⑥納品プロセスで行っていること
製造業の納品では、次の作業が主に行われています。
- 製品を梱包しラベルや伝票の貼り付けを行う
- 出荷リストの作成する
- 輸送方法の選定し、配送業者に製品を渡し配送を行う
- 必要な輸送書類(納品書、インボイスなど)を作成する
※これらの他にも、納品で行っている作業はあります。
業務プロセスに対応するITシステムはどれか?
では、業務プロセスをIT化する際にどんなITシステムを導入すればよいか?
ITシステムは、対応する業務プロセスに合わせて分類分けされています。そられは通常、○○システムと呼ばれます。※○○には対応する業務に合わせた名称が入ります。
IT化したい業務プロセスがあれば、対応するITシステムを探して、導入すれば効率よく進めることができると思います。
業務プロセスとそれに対応するITシステムは下記になります。
業務プロセス | ITシステムの分類 |
---|---|
①見積 | 見積管理システム |
②受注 | 販売管理システム、受注管理システム、EDIシステム |
③試作 | PLMシステム |
④仕入 | 購買管理システム、仕入管理システム |
⑤製造 | 工程管理システム、原価管理システム |
⑥納品 | 出荷管理システム、倉庫管理システム |
これらの他にも、製造業の①見積~⑥納品の全てのプロセスに対応した生産管理システム、また、①見積~⑥納品に加えて経理や人事のシステムも備わった企業活動の全てのプロセスに対応したERPシステムもあります。
①見積プロセスのIT化には、見積管理システム
見積プロセスのIT化には、見積管理システムなどが対応しています。
見積管理システムに備わっている主な機能は次の通りです。
- 見積書作成
- 顧客情報管理
- 製品情報管理
- コスト計算機能
- 履歴管理
見積に必要な作業をサポートし、かつ、その記録に残すための機能が備わっています。
②受注プロセスのIT化には、受注管理システム、販売管理システム、EDIシステム
受注プロセスのIT化には、受注管理システム、販売管理システム、EDIシステムなどが対応しています。
受注管理システム、販売管理システム、EDIシステムに備わっている主な機能は次の通りです。
- 受注情報の登録・管理
- 顧客情報管理
受注に必要な作業をサポートし、かつ、記録に残すための機能が備わっています。
なお、受注管理システム、販売管理システム、EDIシステムの違いは次の通りです。
- 受注管理システムは、受注情報を管理する機能が備わっています
- 販売管理システムには、受注管理だけでなく、見積管理、請求管理、売上管理などの取引を包括するような機能が備わっています
- EDIシステムは、取引先との発注のやりとりをデータで行う機能が備わっています。
③試作プロセスのIT化には、PLMシステム
試作プロセスのIT化には、PLM(プロダクトライフサイクルマネジメント)システムなどが対応しています。
PLMシステムに備わっている主な機能は次の通りです。
- プロジェクト管理
- 図面管理
- 部品表(BOM)管理
試作に必要な作業をサポートし、かつ、記録に残すための機能が備わっています。
④仕入プロセスのIT化には、仕入管理システム、購買管理システム
仕入プロセスのIT化には、仕入管理システム、購買管理システムなどが対応しています。
仕入管理システム、購買管理システムに備わっている主な機能は次の通りです。
- 発注情報管理
- 原材料の在庫情報管理
- サプライヤー情報管理
仕入に必要な作業をサポートし、かつ、記録に残すための機能が備わっています。
⑤製造プロセスのIT化には、工程管理システム、原価管理システム
製造プロセスのIT化には、工程管理システム、原価管理システムなどが対応しています。
工程管理システムに備わっている主な機能は次の通りです。
- 生産計画作成
- 作業指示管理
- 品質管理
原価管理システムの機能に備わっている主な機能は次の通りです。
- 原価計算
- 原価差異分析
製造に必要な作業をサポートし、かつ、記録に残すための機能が備わっています。
⑥納品プロセスのIT化には、出荷管理システム、倉庫管理システム
納品プロセスのIT化には、出荷管理システム、倉庫管理システムなどが対応しています。
出荷管理システムに備わっている主な機能は次の通りです。
- 出荷計画作成
- 必要な輸送書類(納品書、インボイスなど)作成
- 出荷情報の登録・管理
倉庫管理システムに備わっている主な機能は次の通りです。
- 在庫情報の登録・管理
- 入出庫情報の登録・管理
- 棚卸機能
納品に必要な作業をサポートし、かつ、記録に残すための機能が備わっています。
ソフトウェアやアプリの調べ方
同じ分類のソフトウェアやアプリでも、パッケージごとに備わっている機能が大きく違います。そのため、ソフトウェアやアプリを購入する際には、どのような機能が備わっているか、機能の中身はどうなのかをしっかりと調べる必要があります。
調べる方法としては、ソフトウェアやアプリのまとめサイトを使います。代表的なのは、BOXIL(ボクシル)です。システムの分類を切り口に検索することができるので調べやすいです。
BOXIL(ボクシル)サイトはこちらから:カテゴリからサービスを探す | BOXIL
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