中小企業がパートナーシップ構築宣言で補助金の加点を狙うには

パートナーシップ構築宣言

中小企業がパートナーシップ構築宣言で補助金の加点を狙うには

パートナーシップ構築宣言を加点対象としている補助金

パートナーシップ構築宣言をしていることを加点対象(優先採択)としている補助金が増えています。

(2023年9月時点)

  • ものづくり補助金
  • 事業再構築補助金
    ただし、成長枠、グリーン成長枠が対象

他にも、自治体が行っていた補助金で、和歌山県の「事業再構築チャレンジ補助金」(令和5年2月~8月公募)や、兵庫県の「令和5年度中小企業新事業展開応援事業」(令和5年3月~7月公募)においても、パートナーシップ構築宣言が加点対象となっていました。

加点対象となる補助金等をもっと知りたい場合はこちらで確認できます:情報コーナー:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト

パートナーシップ構築宣言とは

パートナーシップ構築宣言とは、企業が「発注者」の立場で自社の取引方針を宣言する取組みです。取引先との共存共栄の取組や、「取引条件のしわ寄せ」防止を代表者の名前で宣言します。

パートナーシップ構築宣言をすると次のメリットがあります。

  • 一部の補助金で加点(優先採択)を受けられます
  • 「ロゴマーク」を使うことができます。名刺などに記載することで、取組をPRできます。

パートナーシップ構築宣言のやり方

「パートナーシップ構築宣言」をパートナーシップ構築宣言ポータルサイトに登録することで宣言をしたことになります。

開始から宣言完了まで次のSTEPで行います。

STEP1:準備

自社に合わせた「パートナーシップ構築宣言」を作成します。

STEP2:登録

作成した「パートナーシップ構築宣言」を、パートナーシップ構築宣言ポータルサイトに登録します。

STEP3:公開

パートナーシップ構築宣言ポータルサイトに登録するとの(修正がなければ)3~4日後に、ポータルサイトで公開されます。

※パートナーシップ構築宣言の参加方法の詳細はこちら:概要・登録方法:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト

パートナーシップ構築宣言の作り方

パートナーシップ構築宣言ポータルサイトに作成するための資料が掲載されています。
・ひな型
・記載見本
・記載要領

次のSTEPで作成します。

STEP1:ひな型のダウンロード

パートナーシップ構築宣言ポータルサイトよりひな形(wordファイル)をダウンロードします。

STEP2:ひな型を自社に合わせて変更

ひな形を変更する形で作成します。
記載内容を考える際には、記載見本、記載要領だけでなく、既に公表されている企業の宣言を確認することが良いと思います。

パートナーシップ構築宣言の内容

「パートナーシップ構築宣言」には、次の2つの内容を盛り込む必要があります。

①サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携
②親事業者と下請事業者との望ましい取引慣⾏(下請中⼩企業振興法に基づく「振興基準」)の遵守

また、上記に加えて、任意で、個社で取り組む独⾃の取組を記載することもできます。

ひな形には、それぞれ「定型文」と「個別記載部分」が記載されており、個別記載部分を自社に合わせて変更します。
※定型文は変更してはいけません。変えてしまうと修正を指示されます。

サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携のサンプル
パートナーシップ構築宣言1(記載見本より抜粋)

個別記載部分は、ひな形では下記から積極的に取り組む項目を特定し、項目毎に取組内容を具体的に記載してくださいとあります。
・企業間の連携
・IT実装支援
・専門人材マッチング
・グリーン化の取組
・健康経営に関する取組

初めて作成される方は、どのように具体的にすれば良いか分からないと思います。
他社の宣言が公表されていますので、具体的な取組み内容を考える際には、同業種の企業の参考にするのが良いと思います。他の企業の宣言で自社にぴったり合うものがあれば、そのまま真似るのも良いかと思います。

親事業者と下請事業者との望ましい取引慣⾏(下請中⼩企業振興法に基づく「振興基準」)の遵守のサンプル
パートナーシップ構築宣言2(記載見本より抜粋)

個別記載部分は、「振興基準」を踏まえた上で、業界の取引形態に合わせて変更することが可能です。特に、型を活用した取引を行っていない場合には②は不要です。

公表されている宣言をいくつか確認すると、①~⑤はそのままの文面で記載しているものが多いです。自社の取引形態で差し支えなければそのまま記載するのが良いと思います。

その他(任意記載)のサンプル
パートナーシップ構築宣言3(記載見本より抜粋)

3.その他は、任意なので記載が無くても問題ありません。

公表されている宣言をいくつか確認すると、サンプルの4つから選んで記載しているものが多いように感じます。

補助金のためにパートナーシップ構築宣言はするべきか

補助金での採択の可能性を上げる為にパートナーシップ構築宣言をすること自体の良し悪しは置いておいて、パートナーシップ構築宣言の補助金での有用性について所感をまとめます。

  • 宣言自体の作成は比較的容易である
  • 宣言内容は自社にとって無理の無い範囲で設定できる
  • 宣言に対する監査やペナルティ等無い
  • 宣言の登録までに掛かる時間は比較的短い
  • (下請けがいない会社等)どのような企業でも宣言することができる

補助金の加点項目には、特定の条件(売上減少、賃上げ等)をクリアしないともらえないものや、取得までに時間を要するものがある中、パートナーシップ構築宣言は上記に挙げたように比較的容易に取得することができます

補助金の加点のために、パートナーシップ構築宣言をすることを強くオススメします。

弊社の補助金申請サポートについて

弊社は、中小企業向けの補助金申請サポートを行っています。
主に事業計画策定を行い、申請や実績報告をお手伝い致します。

本コラムで紹介したパートナーシップ構築宣言についての支援も行っています。
※アドバイスだけなら追加料金無し、パートナーシップ構築宣言の作成は追加料金

補助金の活用をご検討しているのであればぜひご利用ください。
下記ボタンより詳細を確認できます。

注意:小規模事業者持続化補助金には、パートナーシップ構築宣言による加点はありません。